編集部に届いた読者アンケートを何の気なしに眺めていた島地編集長(当時)は、あることに気がついた。
「このところ大学生の読者が増えているな。ん? 回答をみると童貞ばかりじゃないか! よし、彼らを救済する読者企画をやろう!!」
童貞を集めて、見目麗しきお姉さんと混浴して、性の悩みを語り合い、あわよくば……。白羽の矢が立ったのは、当時、熟女ヌードの先駆けとして世の殿方たちの股間を熱くしていた五月みどりさん。童貞の猛りきった精力を受け止める包容力があって、美しく、ある種の冗談も通じる。童貞混浴のビーナスは彼女のほかに考えられなかった。
企画を誌面で告知すると、全国の童貞から2548通の熱いラブレターが届いた。中には履歴書や健康診断書、お手製の童貞証明書が同封されたものもあった。一部を公開しよう。

「ボクの彼女、斉藤道子(仮名)も保証してくれてます。”私が処女なんだから、当然、彼は童貞ですよ!”って。彼女のためにも参加させてください」(神奈川県・18歳)
「ボクはみどりお姐さんを尊敬しております。だって、他の年増女優(失礼!)サンは、今回のようなジョークいっぱいの企画は無視するでしょう。みどりお姐さまだけが、ユーモアを理解してくださっているのですものね。ああ、早くお姐さまにお会いしたいですね。ムチンコ・ヒップとゴクラク・オッパイを、この目でおがみたい」(千葉県・18歳)
(1983年11月29日号「五月みどり童貞混浴セミナーに殺到したハードコア・ラブレター」より)

 

案外と薄いんだなあ

厳選な抽選の結果、10名の読者が選ばれ(うち7名が参加)、熱海の温泉宿にて童貞混浴セミナーは開催される運びとなった。記事には五月みどりを眼前にした童貞たちの興奮ぶりが綴られている。

 そのとき、読者代表の7人の童貞クンは、ゴックンと生ツバを飲んだのであります。固唾を飲む――そんな生やさしいもんじゃない。興奮のあまり、風呂の湯を飲んじまった童貞クンがいたほどなのです。(中略)

「お願い。カメラさん、撮影用のライトを少しの間だけ消して……。最初からすべてを見られるのは恥ずかしいわ!」と、みどりサンが挑発気な眼差しで言ったのです。

 ライトが消える。一瞬の静寂。青く、淡い月の光だけが露天風呂の上にあります。みどりサンは真紅のタオルを脱ぎ捨てて、静かに静かに湯船につかったのです。(中略)すると、童貞クンたちは一斉に雄叫びをあげました。

童貞A ウォーッ!

童貞B ア、アーッ!

童貞C ウッウィーッ!

童貞D うーん、案外と薄いんだなあ、みどりサン。

裸の対面後にはなんと、大女優からスペシャルなサービス(?)が……。

強烈なフラッシュが炸裂しはじめた途端「ああ、そこはダメですゥ!」と童貞クンのひとりが悲痛な声をあげたのです。

「……いいの。ホラ、だんだん立派になってきたじゃない。頼もしいわあ、ウッフフ」

 みどりサンが童貞クンの一物をムギュッとばかりつかんじゃったのです。これが合図となって、おとなしくしていた他の6人の童貞が我さきにとポコチンを湯船の底で差し出している様子。

「お、お願いです。ボ、ボクのはいかがでしょうか?」

「どれどれ。先細だけど、まあまあねぇ。あッ、これは誰のかしら? お馬さんみたいに凄いッ」

 

アソコを見せて

30分ほどの混浴タイムを経て、お座敷に移動。風呂場の三こすり半でアソコを硬くした童貞たちの暴走は止まらない。

童貞A あのォ、お願いがあるんです。

みどり アナタのお願いって何かしら。コワイわねえ(笑)。

童貞A 後学のためですから、一度、五月サンの”女性自身”を見せてくれませんか?

童貞全員 アホッ、変態は帰れ。

みどり アナタはまだわかってないみたい(笑)。アレは見るものじゃなくて”するもの”なの。

童貞B そうですよ、ねッ。

みどり あッ、キミのがいちばん大きかったわね。先細だけど直径はいちばんだった。太さは最高もんだったわよ(笑)。それでも完全勃起じゃなかったでしょ。だから、キミは年増の方に奪ってもらいなさい。

童貞A お願いしなさい、この場で奪ってもらいなさい、五月サンに(笑)。

(中略)

みどり アナタはぜんぜんモノが大きくならなかったわね。意外と見かけだおしなのね。わかっちゃうんだ、アソコをさわっただけで(笑)。

童貞全員 スゲエッ!

みどり 私の”触カン”は当たるでしょ。

童貞全員 はいッ。

童貞C それでも、ボク、結婚するまではきれいな体でいたい。

みどり あのね、童貞はきれいじゃないの。勘違いしちゃダメよ。名刀だって磨いておかないと錆びるでしょ。

童貞全員 ははっ。

みどり ウッフフ、今晩、このセミナーのあとで、ひとりだけ奪ってあげようかな(笑)。

果たして、本当に奪われた童貞はいたのだろうか? なお、同企画は大好評で、第二回目が下呂温泉で開催された。後年、五月さんは週プレのインタビューで次のようにふり返っている。

 とにかく撮影が楽しかったんです。ほら、この男のコたちの顔を見てくださいよ。楽しそうでしょ。後で親に怒られなかったかしら。私以外、やる人がいなかったんでしょうね。変わりものなんです。でも、どんな仕事でもそうですけど、いやいややることはないんです。そこは結構、頑ななんです。今、この写真を見ても「一緒に温泉に入るなんて楽しそう!」って思っちゃいます。だから、当時もノリノリでやったんでしょうね。もう一回みんなに会えたら素敵だな~って思いますよ。
(2015年5月18日号「5月4日はみどりの日」より)

童貞たちの情熱と、五月さんの「何でも楽しんでやろう!」という心意気が交わって生まれた、奇跡と呼ぶべき企画。果たして今、同様の企画を受けてくれる粋な女優さんはいるのだろうか? いや、なかなか想像することが難しい。五月みどりさんに改めて、感謝を申し上げたい。

*記事の引用文は掲載当時のままで使用しております。

1984年1月1日号掲載

●五月みどりの童貞混浴セミナーが掲載された 【週刊プレイボーイ創刊50周年記念出版『熱狂』が発売中! 定価 本体1800円+税(集英社)